スーパーでは手に入りにく漢方食材ですが、普段の料理にちょっと加えるだけでイヤな症状を改善したり体の不調を整えてくれる簡単に使える漢方食材を集めました。漢方薬のように苦いとかマズイとかといった、食材自体に特に味がないので使いやすい食材ばかりです。
乾物なので常備しておき、いろいろなお料理に加えてお使いください。エキスが滲み出て簡単に薬膳効果が得られます。
分類学名 ムクロジ科のリュウガン Dimocarpus longan
中国名 竜眼肉、桂圓
薬性 甘、温
帰経 心、脾
効能 補虚
補益気虚、補虚(養血益肝、補虚労、防衰老、斂汗、潤五臓
虚損、痩せ、老弱、病後や産後の体力低下、気虚による浮腫み、産後の浮腫み、貧血、血虚による頭暈、抜け毛、月経不順、乳麋尿、高血圧、労咳、
血痰、自汗、盗汗
健脾養胃(温脾、開胃、養肌肉、美顔色)
脾虚による下痢、胃痛、脾虚による出血、便血、尿血、月経過多、崩漏
安神(益智寧心、除健忘)
心血不足、動悸、心労、不眠、健忘、神経衰弱
解毒(袪毒、抗がん)
乳腺がん、白血病、喉頭がん
その他
除虫
精神を安定させて、不眠を改善
こんな体質におすすめ:気虚、気滞、血虚
中医学的効能 :補益心脾、養心安神、心脾両虚、気血不足による驚悸、不眠、出血、貧血、健忘
食品が持つ主な作用 :精神安定、動悸、貧血、消化促進、体力回復など
ムクロジ科の竜眼樹という木の実(果肉)で、小さなライチのような形をしていて殻を割ると果肉が入っています。殻をむくと半透明の果実が詰まっていて、実から種が透けて見えており、その様子が龍の目を連想させので中国では「竜眼(りゅうがん)」と呼ばれております。
心(しん)を養い、精神を安定
竜眼肉は、心(しん)の血を補い、精神を安定させ、脾気(お腹)の働きを整えます。
中医学では「心脾両虚証」と呼ばれる、心(しん)と脾(お腹)の働きが弱って、動悸、不眠、健忘、食欲不振、倦怠無力感などの症候が現れた特に生薬として使われます。
生薬名を桂圓(けいえん)と呼び心脾両虚証の他にも、補血、滋養強壮、疲労回復や、貧血の改善、病後や産後の体力回復、整腸などに用いられます。また、記憶力を高める作用があると言われており、老人性認知症の改善に役立つと言われています。
豊富な栄養成分
乾燥リュウガンには、糖質をエネルギーに変えるのに必要なビタミンB2やナイアシンが豊富に含まれています。
また、血圧を安定させるカリウムも多いため、高血圧予防に役立ちます。
そのほか、脳機能の維持・改善、記憶力向上、認知症改善、コレステロール低減、脂肪肝・高血圧・動脈硬化予防に効果を発揮するコリンや、整腸作用があり、動脈硬化・糖尿病・がんを予防する食物繊維も含まれています。
分量100gあたり
カロリー(kcal)283
脂質 0.4g
ナトリウム 2mg
カリウム 1,000mg
炭水化物 73g
水溶性食物繊維 1g
不溶性食物繊維 1.8g
タンパク質 5g
カルシウム 30mg
鉄 1.7mg
ビタミンB6 0.2mg
マグネシウム 43mg
[下処理方法]
特に下処理は必要ありません。乾燥したままの状態で、いろいろなお料理に加えてお使いいただけます。
※注意事項
1日使用量の目安 6〜12グラム。
うちに痰熱があり、湿滞停飲の人は避ける。肝火亢盛、痰多、陽気旺盛、気滞腹脹、胸膈満悶、舌苔厚膩、糖尿病の人は避ける。
湿阻中焦、停飲、痰火の人は禁忌と言われており、湿邪がお腹に溜まっている人、お腹がポチャポチャ音がする人は食べ過ぎに注意しましょう。
のぼせや火照りなど熱っぽい人は、食べ過ぎると吹き出物ができると言われていますので、おいしいからといって食べ過ぎないように気をつけましょう。
痩せ、老弱、産後の体力低下の改善
【竜眼蒸白桃】
竜眼30gに砂糖3gを加えて蒸したものを白湯で服用する。
血虚による頭暈の改善
【竜眼芝麻粥】
竜眼20g、黒芝麻(ごま)15g、米適量で粥をつくる。
貧血、神経衰弱、動悸、自汗、盗汗の改善
【竜眼蓮子芡実煎】
竜眼4~6個、蓮子、芡実同量を水で煎じて飲む。
脾虚による下痢の改善
【竜眼生姜煎】
竜眼14個、生姜3片を水で煎じて煮む。
その他
なつめやクコといっしょに煮出して飲んだり、いろいろなお料理に混ぜたり、そのままお召し上がり下さい。
なつめ薬膳茶
なつめや枸杞の実といっしょに煮出して薬膳茶として。
おやつに
レーズンのようにそのままお茶請けやワインのおつまみに食べられます。
白きくらげといっしょにスィーツ
白きくらげ、なつめといっしょに煮て薬膳スィーツに。
なつめと龍眼の甘煮
なつめと一緒に氷砂糖で煮る。